永代供養とは?メリットとデメリット
現代ではライフスタイルの多様化に伴い、お墓に対する考え方も変化しています。そんな中で注目されるようになってきたのが「永代供養」という新しい供養の方法です。
本記事では、永代供養とは何か、そのメリットやデメリット、選ぶ際のポイントなどを解説しながら、永代供養を検討する際に、参考になる情報をお届けいたします。
1.永代供養とは
永代供養とは、お寺や霊園などの管理者が遺骨の供養を行う仕組みのことです。従来のお墓では、子孫や親族が代々お墓の管理と供養を行うことが一般的でしたが、少子化や核家族化、さらには地元を離れて暮らす人が増えてきたことにより、お墓を綺麗に管理することが難しくなってきています。このような背景から、お寺や霊園が一定の期間、あるいは永久的に、遺骨の管理と供養を行うという方法が確立しました。自分や家族の負担を軽減しつつ、供養はきちんと行いたいというニーズを反映した現代の新しい供養方法として注目されています。今後も家族の在り方やライフスタイルの変化に合わせて、永代供養を利用する人はさらに増えていくと考えられます。
2.永代供養の種類
永代供養には、主に「共同墓タイプ」と「個別墓タイプ」の二種類があります。
「共同墓タイプ」は、他の遺骨と一緒に合わせて祀られる形態で、お墓や供養にかかる費用を比較的抑えられるということがメリットです。一方、「個別墓タイプ」は遺骨を個別でそれぞれに供養します。ある程度の期間が過ぎると共同墓へと祀られるケースが多いですが、その間は自分の墓石や、墓石を置くスペースを持つことができます。お墓参りの際に遺骨がどのように安置されるのかを気にする方や、家族それぞれが別々の墓地のスペースを持ちたいという方には、「個別墓タイプ」がおすすめです。また、お寺や霊園によっては、樹木葬や納骨堂などバリエーションに富んだ永代供養プランを用意しているところもあり、希望に合わせて選ぶことができたりと、永代供養の形は多様化しています。
3.永代供養を選択するのはどのような人?
永代供養は、主に後継者がいない場合や遠方へ引っ越しをした場合、あるいは経済的な負担を減らしたいという場合に選ばれることが多いです。子どもが働く年齢になり、実家から離れた場所で暮らしているケースや、お子さんがいないご夫婦の場合、将来お墓を継ぐ人がいなくなることを懸念する人が増えています。自身も実家と離れた場所で暮らしていると、お墓のある場所に頻繁に足を運ぶことが難しくなり、どうしてもお墓参りがおろそかになりがちです。
このような背景から、自分が亡くなった後の管理を安心して任せることができる永代供養が、多くの人に支持されています。また、従来のお墓は、土地や墓石の維持費のほか、定期的にお墓参りをしたり、掃除をしたりなど、管理することにおいて手間がかかっていました。このような負担を減らすためにも、永代供養を選ぶ方が多くいらっしゃいます。
4.永代供養を選ぶポイント
永代供養を選ぶ際には、契約内容や費用が明確なプランを選ぶことが大切です。
管理費や供養料が一括で含まれるプランもあれば、別途毎年の管理費が必要となるケースもあるので、全体的にどのくらいの費用がかかるのかを把握することが重要です。また、供養の形態や納骨方法、さらにはお参りしやすい立地であるかどうかも、選ぶ基準には欠かせません。共同墓か個別墓か、屋外のお墓なのか屋内型の納骨堂なのか、自分や家族が納得できるスタイルを選ぶことが大切です。見学会などに参加して、お寺や霊園の雰囲気を自分の目で確認することも、判断材料の一つになります。
5.永代供養のメリット
永代供養を行うことで、家族の負担を大きく減らすことができるメリットがあります。
お墓の維持・管理やお墓参りに頻繁に行くことが難しい人や、後継者がいない人にとって、専門の管理者が供養を行ってくれるという安心感は非常に大きいものです。また、一般的なお墓を建てる場合に比べて費用を抑えやすいという傾向もあり、特に「共同墓タイプ」では初期費用や維持費が比較的リーズナブルな場合が多いです。さらに、都市部にある納骨堂や永代供養墓であれば、交通アクセスがよい場所にあることが多く、自分が高齢になってからでも、お墓参りに行きやすいこともメリットになります。精神的にも経済的にも無理のない形で、ご先祖や故人をきちんと供養できることが、永代供養の最大の魅力といえます。
6.永代供養のデメリット
永代供養にはデメリットもあります。
共同墓タイプの場合、他の故人と遺骨が合わせて祀られるため、個別墓タイプに比べて「自分だけのスペース」がないことをデメリットと感じる人もいます。さらに、納骨が行われると遺骨を取り出すことは基本的にできなくなるため、後から改葬する可能性がある方にとっては注意が必要です。
また、個別のスペースを用意できる永代供養プランでも、一定の期間を過ぎると共同墓に納骨されるシステムが多い点も把握しておかなければなりません。管理を一括で任せる分、供養の方法などを細かく指定できないケースがあることも、人によってはマイナスに感じることもあると思います。永代供養を選ぶ際には、こうした点を十分理解し、後悔しないための知識を身につけることが大切です。
7.永代供養はちゃんとした供養になる?
永代供養を選ぶことは、きちんとした供養にならないのではないかと心配になる方もいるのではないでしょうか。しかし、実際にはお寺や霊園の管理者が、定期的に読経や法要を実施してくれるケースがほとんどで、故人に対する敬意を大切にしながら供養できる仕組みが整っています。
従来のお墓と比べても、それぞれの形に応じた宗教的・文化的な儀式が行われるため、「お墓がないから供養がおろそかになる」というわけではありません。むしろ、後継者の有無や負担の大小に左右されず、長期的に安定した供養の環境が整っているという点では、永代供養は理にかなった選択肢です。今後ますます多様化する家族の形態やライフスタイルの中で、故人を尊重しながらも無理なく供養を続けられる方法として、永代供養はおすすめの供養方法です。
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