火葬式・直葬とは?
近年、葬儀の形は大きく変化しています。家族構成や生活様式の変化、地域との関係性の希薄化などを背景に、従来の一般葬にとらわれない葬儀を選ぶ人が増えています。その中でも、「火葬式」や「直葬」は、必要最低限の儀式に絞った葬送の形として注目を集めています。
葬儀に対する価値観は人それぞれであり、形式よりも気持ちを重視したいという考え方も広がっています。火葬式や直葬は、そのような現代の意識に合致した選択肢として、多くの人に検討されています。
火葬式とは?
火葬式とは、通夜や葬儀・告別式といった儀式を行わず、火葬当日に簡単なお別れのみを行う葬儀形式です。故人を安置、納棺した後、火葬場に移動して火葬をするというシンプルな形となります。僧侶による読経や焼香を行う場合もありますが、内容は簡素で参列者はごく近しい家族に限られます。
形式を抑えながらも、故人と向き合う時間を確保できる点が特徴です。今では、ただ火葬するだけでなく、納棺の際に棺に花を入れて故人とお別れをする納棺の儀や、火葬場の炉前で読経をしたりといった簡単なセレモニーを行う火葬式プランも登場しています。
直葬とは?
直葬とは、火葬式よりもさらに簡略化した、通夜や告別式を行わず、自宅や病院からご遺体を直接火葬場へ搬送し、火葬場でのお別れも最小限にとどめ、火葬のみを執り行う葬儀形式です。宗教者を呼ばず、儀式を伴わないケースが多く見られます。費用や準備の負担をできるだけ抑えたい場合や、故人の意向で静かに見送りたい場合に選ばれています。事務的に進める印象を持たれがちですが、家族だけで心を込めて送る選択とも言えます。
なお、法律の定めにより、死後24時間以内に火葬をすることは禁止されています。そのため、直葬であっても火葬まで遺体を安置する場所が必要です。病院で亡くなっても、病室で長時間の安置はしてもらえません。そのため、自宅もしくは葬儀社の安置所に故人を搬送する必要があります。自宅に安置できない場合は、葬儀社に相談をして安置所を手配してもらうことも可能です。
火葬式と直葬の違い
火葬式では簡単な儀式やお別れの時間を設ける一方、直葬ではそれらを省略し、火葬を中心に進めます。どちらを選ぶかは、故人や家族がどのような見送り方を望むかによって異なります。形式の有無だけで判断せず、精神的な納得感を大切にする視点が重要です。
火葬式と直葬の費用面から見た特徴
火葬式と直葬は、一般葬と比較して費用を抑えやすい点が特徴です。会場設営や接待、返礼品などが不要となるため、全体の負担が軽減されます。ただし、安さだけで選ぶと後悔につながる場合もあります。必要な手続きや安置期間の対応など、基本的な部分は一般葬と変わらないため、内容と費用のバランスを理解することが大切です。
火葬式と直葬の注意点
火葬式や直葬を選択する際は、家族や親族との事前の話し合いが欠かせません。理解を得られないまま進めると、後々のトラブルにつながる可能性があります。また、葬儀社によって対応範囲や説明の丁寧さに差があります。内容を十分に確認し、納得した上で実施することが安心につながります。
火葬式や直葬を行う方法
一般的な葬儀は準備に手間と時間がかかるため、多くのケースで葬儀社に依頼して進めますが、直葬や火葬式は規模が小さいため、手続きを自分で行うことも可能です。直葬の流れとしては、まず故人を安置先まで搬送し、死亡届の提出や火葬許可の手続きを行います。死亡後24時間が経過するまでは、自宅や安置施設で遺体を安置し、その間に棺や骨壺など必要な備品を準備します。その後、指定された時間に火葬場へ搬送し、火葬と骨上げを行います。
一方で、葬儀社を探して直葬を依頼することもできます。「宗教的な儀式をしたくない」「参列者が少ない」「葬儀の手配は任せたい」という方は、葬儀社に依頼するのがおすすめです。
火葬式や直葬は現代に合った葬送の形火葬式や直葬は、簡素でありながらも故人を思う気持ちを大切にできる葬儀形式です。無理に形式に合わせるのではなく、家族の価値観を尊重した見送り方として定着しつつあります。故人と家族にとってふさわしい形を選ぶことが、後悔のない葬送につながります。火葬式や直葬は、その選択肢の一つとして今後も注目され続けます。
