終活は何する?やっておくべきことは?
「終活」という言葉を耳にする機会が増えていますが、実際に何をするのかはっきりわからないという方も多いのではないでしょうか。人生の最期に向けて自分らしく過ごすためには、計画的に終活に取り組むことが大切です。
本記事では、「終活とは何をするのか」や「終活の始め方」について解説します。
1.終活とは?何する?
終活とは、人生の終末期に向けて、さまざまな事柄を事前に準備・計画する活動のことです。遺言書や財産の整理といった法律的な手続きから、医療や介護に関する希望の表明、身の回りの物の整理やエンディングノートの作成まで、その内容はさまざまです。終活という言葉は、少子高齢化を背景に、2009年頃からメディアで取り上げられるようになり、今では一般的なライフプランの一部として広く認知されるようになりました。単に「死の準備」と捉えるのではなく、残された時間をどう充実させるかを考える前向きな行動の一つです。
2.終活のメリット
終活では、自分の希望を明確にすることで、将来の死に対する不安な気持ちを軽減できます。死を前提とすることに抵抗感を抱く方もいるかと思いますが、実際に終活をしてみて、自分自身の中で整理がついて心が軽くなったという声が多いです。例えば、医療や介護に関する希望をあらかじめ伝えておくことで、急な入院や判断力が低下した際にも、望む対応を受けやすくなります。また、終活を行うことで、家族への負担を減らすこともメリットの一つです。特に、財産や遺品など金銭面の整理を事前に行うことで、相続のトラブルを減らすことが可能です。残された家族にとっては、故人の意思が明確であることが精神的な支えとなります。そのため、事前に家族と相談しながら身の回りを整理することがおすすめです。
3.最低限やっておきたいこと
終活において、まず取り組んでおきたいことは、エンディングノートの作成と生前整理です。エンディングノートとは、自分に万が一のことがあった場合に備え、家族が円滑に手続きを進められるよう、財産情報や希望、感謝の気持ちなどを書き留めておくノートのことです。例えば、どのような葬儀を希望するか、延命治療についての考え、介護が必要になったときの希望施設などを記載しておくことで、もしものときにも意思を反映させることができます。また、生前整理では財産や重要書類の所在を明確にし、不用品の処分や思い出の品の整理も行います。相続のトラブルを避けるためには、遺言書の作成も視野に入れておくと安心です。そのほか、デジタル遺産(SNSアカウントやネット銀行)の管理など、現代ならではの終活も忘れずに行うことが大切です。
4.エンディングノートと遺言書の違い
エンディングノートと遺言書の大きな違いは、法的効力の有無です。遺言書には法的な強制力がありますが、エンディングノートにはありません。そのため、エンディングノートに希望を書き出していても、実際には叶えられないケースがあるため、注意が必要です。一方で遺言書は、何を書いても良いというわけではなく、死後のことしか書けないことが特徴です。その点において、エンディングノートは死後のことだけでなく、今生きている間に関する事柄や、関わりのある人への感謝の気持ちなどを自由に書き記すことができます。エンディングノートを書くことで自分の気持ちが整理されるだけでなく、いざというときに家族が対応に困らないようにするための重要なツールとなっています。
5.終活の準備をする際に気を付けたいポイント
終活を円滑に進めるためには、家族との話し合いが欠かせません。自分の意思だけで決めてしまうと、のちのちトラブルの原因になることもあるため、話し合いを通じて家族の理解と協力を得ると、望んでいる対応が現実的なものになります。また、終活は悲観的な作業ではなく、むしろ人生をよりよく締めくくるためのポジティブな計画として捉えることが大切です。趣味や旅行、友人との時間をどのように楽しむか、これからの人生にワクワクを取り入れる姿勢が、前向きな終活につながります。終活に関する情報は日々変化しているため、専門家に相談しながら進めることも有効です。
6.終活を始める年齢は?
終活を始めるべき年齢に明確な基準はありませんが、多くの方が60代から70代にかけて取り組み始めています。一方で、健康で元気なうちから準備をするために、50代から少しずつ意識する人も増えています。また、若くして病気を患った場合や余命宣告を受けた場合に、20代〜30代で終活を始める人も少なくありません。体力や判断力が十分にある段階であれば、自分の考えをしっかりと形にでき、家族と話し合う余裕も持てます。また、予期せぬ事故など、万一の事態に備える意味でも、早めに終活をしておくことで安心につながります。年齢にとらわれず、「今のうちにできることをやっておこう」という気持ちが、終活をスムーズに進めるために大切です。
7.終活の意味・考えるべきこと
終活の本質は、自分らしい最期を迎えるための準備を通じて、今をどう生きるかを見つめ直すことです。自分が大切にしてきた価値観や、これから残された時間で何をしたいかを改めて考えることで、日々の生活にも新たな意味が生まれます。また、家族や友人、社会とのつながりを見直す中で、感謝や愛情を改めて伝えることができる貴重な機会にもなります。相続などの金銭面に関する準備や病気や事故に遭ったときの判断に加え、心の整理も終活の大切な一部です。自分自身の人生を肯定し、穏やかな気持ちで最期を迎えるために、終活を前向きに捉えて取り組んでいくことが求められます。
関連記事-こちらもどうぞ
- PREV:
- 葬儀で贈る供花(きょうか・くげ)とは?